Yahoo!ニュースで、歌舞伎俳優・中村鴈治郎さんの意気込みコメントが話題になっています。国立劇場の7月歌舞伎鑑賞教室に向けて語られた言葉には、歌舞伎初心者にも楽しんでもらいたいという思いが詰まっていました。この記事では、鑑賞教室という仕組みの魅力と、中村鴈治郎さんのコメントから見える歌舞伎の楽しみ方について紹介します。
結論から申し上げますと、歌舞伎鑑賞教室は「わかりやすい解説」と「お手頃な料金」によって歌舞伎初心者の入り口を広げる公演であり、中村鴈治郎さんは今回、大田区にゆかりのある演目を通じて観客を飽きさせない工夫を語っているのです。
歌舞伎鑑賞教室とはどんな公演なのか?
解説付きで初めてでもわかりやすい
国立劇場の歌舞伎鑑賞教室は、昭和42年(1967年)の開始以来、これまでの累計入場者数が700万人を超えるという歴史ある取り組みです。
歌舞伎鑑賞教室は「実演を交えた解説」と「名作の鑑賞」の二部構成になっており、初めて歌舞伎に触れる方でもわかりやすい内容になっているといいます。上演時間は演目にもよりますが、休憩を含めて1時間40分から2時間45分程度とのことです。
お手頃な料金と充実した学習教材
学生や引率の先生であれば全席2,000円で鑑賞できるうえ、一般客でも1等席6,000円・2等席4,000円というお手頃な価格設定になっているそうです。
また、事前学習用の「鑑賞のしおり」やWEB教材「文化デジタルライブラリー」も用意されており、学校の芸術鑑賞行事としても利用しやすい仕組みが整えられています。
中村鴈治郎さんは今回の公演をどう語ったのか?
大田区ゆかりの演目『神霊矢口渡』
今回の7月歌舞伎鑑賞教室では、大田区では初めての上演となる『神霊矢口渡』が演じられます。公演に先立ち、中村鴈治郎さんと坂東新悟さんは、作品にゆかりのある大田区の新田神社を参拝し、成功祈願を行いました。
中村鴈治郎さんは、渡し守頓兵衛の役を今回で三度目勤めることになります。「本当に私でいいんだろうか」と不安を感じていた初役の頃から、「こんなに楽しい役はないな」というほど好きになったと、役への愛着を語りました。

歌舞伎鑑賞教室では、かえって二度と観たくないと思われないよう、もう一度観てみたいなと感じてもらえる公演にしたいと言われています。(国立劇場歌舞伎情報サイトより)
「憎たらしくて強欲な役」に人間味を込める
頓兵衛という役柄について、中村鴈治郎さんは「一人よがりの強欲な男で、娘すらどうでもいいと思うような人物」と説明しています。それでも、「あー、人ってこんな風になっちゃうかもしれないな」と思わせるような役作りを目指しているのだそうです。
単に悪役として演じるのではなく、観客が共感できるような人間味を込めようとする姿勢がうかがえます。
なぜ鑑賞教室が歌舞伎の間口を広げるのか?
「もう一度観たい」と思わせる工夫
中村鴈治郎さんは、歌舞伎鑑賞教室について「飽きさせない、目を離させない公演にできればと考えています」と話しています。初めて歌舞伎に触れる観客にとって、最初の体験が印象を大きく左右するといえるでしょう。
だからこそ、解説を交えながらわかりやすく、かつ飽きさせない工夫を凝らすことが、リピーターを増やすことにつながるのです。
地元とのつながりを大切にする姿勢
今回の会場である大田区民ホール・アプリコは、演目の舞台となった「矢口の渡し」ゆかりの地です。中村鴈治郎さんは「地元の方でも、この地元に“矢口の渡し”があったことをご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか」と語り、地域の歴史を舞台を通じて伝えたいという思いも見せています。
成功祈願の後には大田区役所を表敬訪問するなど、地域との結びつきを大切にしている様子も伝わってきます。
歌舞伎鑑賞教室はどんな人におすすめなのか?
学校の芸術鑑賞行事として
学生・引率の先生向けの割引料金が設定されていることからもわかるように、鑑賞教室は学校の芸術鑑賞行事としての利用が想定されています。地域の生涯学習活動としての利用も呼びかけられているといいます。
親子で楽しみたい方にも
今回の公演では、夏休み特別企画として全日程で「親子で楽しむ歌舞伎教室」が開催され、一般・学生料金よりもお得な親子割引が用意されています。家族で歌舞伎に触れてみたいという方にもぴったりの機会だといえます。
また、全公演で英語による観劇サポートも用意されており、外国人旅行者や在住外国人にもおすすめの内容となっています。
まとめ|中村鴈治郎さんが伝える歌舞伎の入り口
中村鴈治郎さんの言葉からは、歌舞伎鑑賞教室が単なる公演ではなく、初めての観客を歌舞伎の世界へ誘う入り口としての役割を担っていることが見えてきました。「もう一度観てみたい」と思わせる工夫や、地域の歴史を舞台に乗せる試みは、歌舞伎の裾野を広げる大切な取り組みだといえるでしょう。
この夏、歌舞伎に初めて触れてみたいという方は、ぜひ鑑賞教室に足を運んでみてはいかがでしょうか。


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